Jan 01, 2009

ハチクロ

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只今一時帰国中です。すでに成田からの帰り道、新年特大号のモーニングを買い、帰国翌日に昨年中に出たバガボンド二巻も読破しました(駅前漫画喫茶で)。


昨年、「今年も漫画にはついているなあ」と思ったことは、元上司がモーニングをお土産に持ってきてくださったことと、帰国するなり、浩子が『ハチミツとクローバー』全巻を借りておいてくれたことです(私のためではないのですが)。


昨年、ちょっと空いた時間で、そうだバガボンドを読もう、と思って行ったブックオフにはバガボンドはなく、知人に超秀逸な漫画として勧められたハチクロを読み始めはまったものの、最後のほうの何巻かがなく、ネット上でストーリーを読んだものの飽きたらず、もしかしてアニメはあるかもと思ったら、なぜか中国語字幕版、英語字幕版まであり、Youtubeに感謝したのでした。


帰国したときには浩子も最終巻にさしかかっており、二人ともほぼ同時に読み終わり、今、我が家ではハチクロが超ホット(クール?)です。世の中に遅れること2年ぐらいのブームかもしれません。また杉並区民なので、大宮八幡は氏神様ではなくても、浜田山は自転車圏内であり、漫画の舞台はかなり地元に近いです。昨年帰国したときに、ハチクロドラマの電車の釣り広告は見ていましたが、なぜか『小さな恋の物語』をドラマ化したようなものと勝手に思っていました。初めて読んだときには、どうしてこんなに秀逸な漫画の存在に気づかなかったんだとショックでしたが、設定は20世紀後半っぽいものの(?)、2000年以降に連載が始まっており、海外で女性誌連載漫画新作を読む機会はゼロだったので、地の利の逆をしみじみ感じました。


おまけにアニメは竹本が稚内まで行って帰ってくるところで終わっていると思っていましたが、パート2Youtubeに存在することに気づき、昨日(大晦日)から、好きなシーンの拾い見まで始めました。アニメは漫画の台詞、設定に超忠実なのも素晴らしいです。真っ先に見てしまったのは、涙なしには見ることのできない最後のサンドイッチです。(漫画ではなぜかクローバーにしか気づかなかったのに、アニメを見て、もしかしてあれは蜂蜜?と思い、実は見落としているものが大量にある気がしてきました。)あのシーンは泣けるよね、という話になったところ、いつもちり紙を持ってきてくれる役の浩子も同意してくれました。でも、クローバーが毒だったら大変だよね、と言うので、毒だったらドクダミみたいな扱いになっているから問題ないでしょうと返すと、「紫陽花が毒なの知ってる?居酒屋でアジサイの葉っぱをお刺身の下に引いて出したら、食べちゃったお客さんが食中毒起こして救急車で運ばれたんだよ」とまったく違う方向に話が行ってしまいました。

今年もいいことがたくさんありますように。

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Nov 26, 2007

バガボンド

Vagabondニューヨークに新装オープンした紀伊国屋書店には、『バガボンド』の壁画があるのを記念して(早く見に行かなくては)、数年前(3年前?)にHPに書いたものを再録させていただきます。

今でも『バガボンド』についてはついており、今年もモーニングをいただきましたし、友人が9月に直近2巻を日本から調達してきてくれました。もう連載が始まってから10年近く経ち、強くなり過ぎた武蔵にはらはらすることがなくなったのが残念でもあります。最新刊を読むのが楽しみですが、だんだん最後の対決に近付いているのかと思うと複雑な心境です。翻訳したトワイラ・サープの本にも宮本武蔵は登場しましたし、武蔵自体は永遠なのですが。

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バガボンドについては、自分はかなりついていると思います。海外で暮らすのに、もっとも残念なことは毎週モーニングを読むことができなくなること、でした。単行本でバガボンドを読むことに満足していたのが、あるとき電車の中で、モーニングでバガボンドを読んでいる人を見かけ、その大画面の迫力(本当。早朝、胤舜が槍を回し、砂煙が上がっている場面でした)に負け、以降、モーニングの発売日を中心に一週間が回るようになりました。ボストンで、モーニングが読めなくなって悲しい話をしたところ、「今でも、購読していますけど」という方が現れ、以降、私は空輸されたモーニングを満喫することになりました。その後も、帰国の際にモーニングを下さる方がいたり、単行本の発売日の翌日に出張してこられる方がいたり、かなりついています。次回、19巻の発売日は323 日(今日!)で、間に合うかどうか不明ですが当日に帰国する友人のお姉さんにお願いしてしまいました。

あるときNHKのトップランナーのゲストだった岩井俊二監督が、スラムダンクの大ファンだったが、最終回を逃してしまい未だに読んでいない、という話題になりました。その場で、その最終回をプレゼントされた岩井監督は喜ぶだけではなく「今、読んでいいですか?」と言って、ステージ上でいきなり読み始めました。それを見て、(監督がそこまで夢中になる漫画ならば)是非私も読まなくては、となったのでした(そのために初めて漫画喫茶に足を踏み入れました)。その後、何かの試験勉強をしていた私は、この試験が終わったら、信愛書店(近所の本屋さん)のあの場所にある妙に気になる漫画を読むんだ、と決めていました。読んでみるまで、スラムダンクと同じ作者、井上雄彦さんが描いていることも、宮本武蔵の話であることも知りませんでした。初回の単行本の発行は12巻同時で、2冊一気に読んで、その迫力にはまりました。スラムダンクでも皆(特に桜木花道)の勝利への執念、執着心は凄いものがありますが、バガボンドは命がかかっているので迫力が違います。ここで負けると次も明日もないのです。原作の吉川英治の宮本武蔵も読みましたが(この2年ぐらい途中で止まっていますが)、漫画の印象が強烈だったからか、冒頭の関が原のシーンなどは本を読んで頭の中でビジュアライズされるものは漫画とまったく同じで、本が忠実に映像化されていることに驚いたのでした。ここまでは始まったばかりの頃の話ですが、武蔵も小次郎(バガボンドでは原作にない小次郎の生い立ちが出てきます)も行く先々で濃い登場人物に出会い、18巻ではついに二人の道が交わるのでした。

浩子はしつこく薦めても、なかなか読み物には反応がないのですが、バガボンドは読んでくれました。「強い人は同じ系統の顔をしているからすぐに分る」という浩子のコメントにはなるほどでした。スラムダンクの沢北(田臥勇太?)しかりです。

あるとき、課題の労働経済についてのペーパーを読み始めると、冒頭に、「日本型経営がもてはやされた時代には、14世紀のサムライ、Musashi Miyamotoの書いた五輪の書がビジネスマンの間で広く読まれたが」とあり、まったく論文の本題には関係ありませんが、この史実の誤記を正すのが日本人である私の務めではないかと考え、メールを送ってみました。すると教授からの返事には、「君もミフネのファンか?私はミフネの映画でムサシを知った」とありました(世界のミフネを感じた瞬間でした)。いい気になって、残念ながらミフネのムサシは見ていませんが、私はこれでムサシを知りましたと、英語版が出たばかりのバガボンドを紹介してみましたが、未だ返事はありません。

宮本武蔵が『遅れてきた男』と評されていたのをどこかで読んだ気がしますが、世の中ではすでに戦国時代は終わっているのに、命のやり取りという真摯な場面を超えなければ更に上に行くことは出来ず、強い相手を探して、天下無双を目指して諸国を旅する人生の晩年に生まれた五輪の書が、現代に生きる人の戦術書として世界中で読まれるのも納得です。映画、『ウォールストリート』の冒頭でマイケル・ダグラス演じるゲッコー氏が孫子の兵法の一節を引用しますが、五輪の書は、ゲッコー氏に憧れるような人以外もなるほどと思う含蓄のある教えが詰っていると思います。

追記:

会社勤めをしていた頃、私の前に座っていた女の子はバガボンドに登場する朱実にそっくりでした(顔も雰囲気も言動も)。これに同意してくれた人は約2名いましたが、真面目に働いているふりをして頭の中ではそんなことばかり(ではないにせよ)考えている変な人だと思われると困るので、毎日顔を合わせていた本人には言えませんでした・・・。

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